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 国立科学博物館など、南西諸島に進出したモズの「リスク回避傾向」を解明

発表日:2020.07.14


  国立科学博物館などの研究グループは、南西諸島(南大東島、中之島、喜界島)に進出したモズの「飛び立ち距離」が長いことから、リスク回避傾向があることを明らかにした。モズは九州以北で繁殖しているが、近年、南西諸島でも繁殖が見られ集団が成立している。「飛び立ち距離」は、リスク回避傾向や大胆さの指標とされ、人がゆっくりと歩いて鳥などの動物に接近していき動物が逃げる行動をとった時の距離を示す。今回、南西諸島と本土(鹿児島県・茨城県・北海道)のモズの飛び立ち距離を測定したところ、南西諸島では50.5m(56羽の平均値)で、本土の26.1m(66羽の平均値)より長かった(早く飛び立った)。この結果は、新しく成立した集団の個体はリスク志向的で新奇な物を恐れず、そのことが新たな土地に到達し生き残るうえで有利であるという一般的な考えと逆であり、南西諸島では藪などにもクマネズミが生息していることからリスク回避的な個体が子を残していったことが考察され、リスク回避的な個体がパイオニアになった事例であるという。

情報源 国立科学博物館 プレスリリース(PDF)
機関 国立科学博物館
分野 自然環境
キーワード 国立科学博物館 | 南大東島 | モズ | 逃避行動 | クマネズミ | 南西諸島 | 中之島 | 喜界島 | 飛び立ち距離 | リスク回避的
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