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 森林総研、スギの「高温馴化」に関わる遺伝子を特定

発表日:2020.07.17


  (国研)森林研究・整備機構森林総合研究所は、植物が異常高温に適応する「高温馴化」の解明に向けて、スギを対象として遺伝子の特定に成功した。「高温馴化」は、あらかじめ高温を経験した植物が、その後の高温に対してより強くなるという現象で、被子植物等 において報告されている。同研究所はスギやヒノキのDNA塩基配列などに関わる研究を推進し、スギゲノムデータベースとしての公開を進めている。今回、高温馴化に関与する遺伝子の特定に向けて、25℃で育てたスギ実生に前処理(38℃)、高温処理(45℃)を行い、それにより発現する遺伝子を網羅的に収集した。前処理なしで高温処理を行った場合と比較したところ、外見上は両者に違いは見られなかったが、高温処理に対して応答変化する複数の遺伝子を見出した。それらのなかには、植物の環境ストレスへの馴化への関与が示唆されている「レトロトランスポゾン」もあり、スギの高温馴化に何らかの働きを有する可能性が示されたという。

情報源 森林研究・整備機構森林総合研究所 研究紹介
機関 森林研究・整備機構森林総合研究所
分野 自然環境
キーワード 適応 | スギ | 環境ストレス | 異常高温 | 高温馴化 | 被子植物 | スギゲノムデータベース | 高温処理 | レトロトランスポゾン
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