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 帯畜大など、落枝が樹木の生き残り戦略の一部であることを実証

発表日:2020.12.10


  帯広畜産大学と京都大学の研究グループは、成長の速い落葉樹における「落枝」は、樹木が樹冠の外側に向かって枝を再配置するプロセス(以下「枝の新陳代謝」)の一部であることを実証した。同研究グループは、草本植物では新しい葉が繁茂することで日陰となった葉が落ち、それらが個体の養分転流・生産効率の向上に貢献していることを踏まえ、木本植物では新芽のみならず、「枝の新陳代謝」が生産効率向上効果をもたらしているという仮説を立て、定量的な評価に取り組んだ。今回、成長速度の異なる落葉樹5種を対象に調査した結果、成長の速い種の若木において、新しい枝が伸び、日陰となった古い枝が次々に枯れていく状況が観察された。一方、成長の遅い種では、樹冠のすべての位置において枝が枯れる割合が相対的に少ないという結果が得られた。これらの結果から、成長の速い樹種が、枝の新陳代謝を使って個体の「光環境」を維持している新たな仕組みの存在が示唆され、森林全体の生産効率・CO2吸収能力の維持にかかる調査研究への応用が期待できるという。

情報源 帯広畜産大学 プレス発表資料(PDF)
Forests vol. 11, article number 1301. (Published: 3 December 2020)
機関 帯広畜産大学 京都大学
分野 自然環境
キーワード 京都大学 | 光環境 | 落葉樹 | 生産効率 | 帯広畜産大学 | 樹冠 | 木本植物 | CO2吸収能力 | 落枝 | 草本植物
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