夜間勤務従事者を対象とした侵入音レベルと中途覚醒発生率の関係(アクチメトリーの解析で
睡眠時間帯で見た侵入音レベル途中と覚醒発生率の関係の一例(アクチメトリーの解析で
アクチメトリーに使用する測定機器の例(左)。別の研究では臭いセンサー(右)と併用した。こちらは、高齢者のおむつ内にチューブを挿入して、失禁時刻を計測するために用いた。
環境研究の目的はいろいろありますが、人間の健康や快適性に対する影響を研究する人が不足してきています。未知の影響について実験室内でメカニズムを調べる研究は、それでもまだ手がける人がいますが、実際に生活している人に即して曝露の実態や影響を調べようとすると、たくさんの人に長期の調査を行う必要があるので、できるだけ負担をかけない方法の工夫や、快く研究に協力していただくための「研究者の社会性・人柄」が大切になるので、根気強く取り組める人が少ないのです。
しかし、実験室研究だけで片付けられるほど人間(の生活)は単純ではありません。人間を単純化してとらえ済ませてしまう環境研究者ばかり増えたとしたら、恐ろしいことです。どのようなコースに進むとしても、人間の複雑さを侮らないでほしいと思います。