農研機構など、人為的活動に由来する窒素を包括的に評価

(国研)農業・食品産業技術総合研究機構、北海道大学、国立環境研究所および総合地球環境学研究所の研究グループは、日本の全ての人間活動と環境を対象に2000年から2015年の「窒素収支」を評価し、肥料・原料・化石燃料等の利用に伴う「廃棄窒素」と、最終的に環境に排出される反応性窒素(安定な窒素ガス[N<sub>2</sub>]を除く窒素化合物)の量を解明した。「窒素」の環境影響については、水・大気の汚染に関する個別研究が行われてきた。近年では温暖化・富栄養化・成層圏オゾン破壊等を加えた多様な問題に関与する反応性窒素の動態を捉える研究が進められている。同研究グループは、日本の実態に即した戦略的な研究の基盤づくりに向けて、窒素の流れに関与している14の部門(プール)とその中のサブプールの窒素収支モデルを構築するとともに、窒素の輸出入と越境輸送なども包括した総合的なフローを推計した。当該モデル等の結果より、国民一人当たりの廃棄窒素は年間41~48
kg(同時期の世界平均の約2倍)で、廃棄窒素の発生量に対して環境に排出される反応性窒素は1/3程度であることが明らかになった。温室効果ガスの評価・報告フレームと同様の展開に向けて算定手法の充実化を図るという。

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