高知大学と横浜国立大学は、浅海性底生有孔虫の一種が「過去の水温を復元する手法(古水温計)」として利用できることを実証した。海底の堆積物などから産出する「微化石」を分析することで、地層の年代はもとより過去の海洋環境などが推定できる。とりわけ有孔虫の化石(炭酸カルシウム殻)は賦存量が多く、保存状態も良いため、1950年代から酸素同位体比(δ<sup>18</sup>O)を用いた古水温計として盛んに研究されている。両大学は、その後もさまざまな古水温計が見出され、古環境変動・気候変動に関する研究成果が蓄積されつつあるが、浅海域に生息し、比較的個体数が多い有孔虫の活用に係わる検討が不十分であったことから、実習船を用いて、土佐湾の大陸棚(200 m以浅、3地点)から<i>Hanzawaia nipponica</i>の生体・化石試料(0.1~0.2 mm)および海水サンプルを採取し、それらのδ<sup>18</sup>O分析を実施した。その結果、同種のδ<sup>18</sup>O値は水深と相関していることが分かり、平均海水温の違いによる「温度依存性」を反映していることが明らかになった。さらに既存の関係式や特定の深海性底生有孔虫を用いたδ<sup>18</sup>O変動パターン(350万年前以降)と照らしたところ、<i>H. nipponica</i>が黒潮域や対馬暖流の影響を受けた海域において、精度の良い古水温計として利用できることが確認された。
情報源 |
【オンライン情報源1】 高知大学 インフォメーション 【オンライン情報源2】 横浜国立大学 プレスリリース |
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配布形式1 |
【交換形式名称】HTML 【版】不明 |
タイトル | 高知大など、黒潮域の浅海などで活用できる古水温計を開発 |
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日付1 |
刊行日: 2021/10/12 |
要約 | 高知大学と横浜国立大学は、浅海性底生有孔虫の一種が「過去の水温を復元する手法(古水温計)」として利用できることを実証した。海底の堆積物などから産出する「微化石」を分析することで、地層の年代はもとより過去の海洋環境などが推定できる。とりわけ有孔虫の化石(炭酸カルシウム殻)は賦存量が多く、保存状態も良いため、1950年代から酸素同位体比(δ<sup>18</sup>O)を用いた古水温計として盛んに研究されている。両大学は、その後もさまざまな古水温計が見出され、古環境変動・気候変動に関する研究成果が蓄積されつつあるが、浅海域に生息し、比較的個体数が多い有孔虫の活用に係わる検討が不十分であったことから、実習船を用いて、土佐湾の大陸棚(200 m以浅、3地点)から<i>Hanzawaia nipponica</i>の生体・化石試料(0.1~0.2 mm)および海水サンプルを採取し、それらのδ<sup>18</sup>O分析を実施した。その結果、同種のδ<sup>18</sup>O値は水深と相関していることが分かり、平均海水温の違いによる「温度依存性」を反映していることが明らかになった。さらに既存の関係式や特定の深海性底生有孔虫を用いたδ<sup>18</sup>O変動パターン(350万年前以降)と照らしたところ、<i>H. nipponica</i>が黒潮域や対馬暖流の影響を受けた海域において、精度の良い古水温計として利用できることが確認された。 |
目的 | ニュースリリース等の配信 |
状態 | 完成 |
問合せ先(識別情報)1 |
【組織名】高知大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】高知大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
問合せ先(識別情報)2 |
【組織名】横浜国立大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】横浜国立大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
分野 | 地球環境 |
種別 | ニュース・イベント:ニュース:国内ニュース |
場所 | アジア:日本 |
キーワード | Hanzawaia nipponica、黒潮、浅海性底生有孔虫、古水温計、微化石、炭酸カルシウム殻、酸素同位体比、δ18O、古環境変動、土佐湾 |
言語1 | 日本語 |
文字集合1 | utf8 |
主題分類 | 環境 |
ファイル識別子 | 110513 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 国内ニュース |
日付 | 2021/10/18 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2.0 |
国内ニュース | https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=32612 |
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