国環研など、G20の消費由来PM2.5による地球規模の危機を定量化

国立環境研究所、京都大学、総合地球環境学研究所および日豪3大学・研究機関の研究チームは、G20諸国の消費者が購入する製品やサービスの生産によって生じるPM2.5(微小粒子状大気汚染物質)発生量を全球規模で推計し、その曝露により生じる世界各国の早期死亡者(平均死亡年齢よりも前に発生する死亡)の数を推計した。同研究チームは、世界多地域間産業連関モデルと排出インベントリマップを接続し、先ず、G20(EU地域を除く)の消費(国内最終需要)消費とグローバルサプライチェーンを通じて誘引するPM2.5の一次粒子(黒色炭素、有機炭素、その他成分)および二次粒子前駆物質(NOx、SO2、NH3、CO、NMVOC)の排出量を地図化し、次に大気化学輸送モデルとPM2.5曝露濃度と疾病リスクとの関係を示す統合曝露反応モデルなどを利用して、早期死亡者数を推計する手法を考案した。2010年のデータに基づき、5つの疾患(虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患、脳卒中、肺がん、下気道感染症)を考慮した解析を行った結果、早期死亡者数は年間200万人を超え、大半は発展途上国に偏在することが明らかになった。今回の推計結果を真摯に受け止め、日本を含むG20が消費活動に由来するPM2.5の発生に対して責任を持つことで、対策について協働する場の構築や、とりわけ乳幼児の早期死亡が多い途上国に対する支援の促進が期待できるという。

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