山階鳥研など、カリガネの渡りルートを完全解明

(公財)山階鳥類研究所と雁の里親友の会(がんのさとおやとものかい)は、宮城県で越冬した「カリガネ」がロシア北極圏に向かい、再び同県に帰着するまでの全ルート解明に成功した。カリガネは、IUCN Red Listで VU、環境省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されている希少なカモ科マガン属の鳥類。ユーラシア大陸北部で繁殖し,ヨーロッパおよび東アジアで越冬する。東アジア越冬個体群については、主要越冬地(中国・長江流域)の個体数が減少し、日本の越冬地・飛来地で確認される個体数が増加しつつある。今回、2020年12 月に宮城県の越冬地で捕獲し、GPS発信器を装着した個体の位置情報を追跡した結果、同年2月下旬に宮城県を出発した個体がサロベツ原野やカムチャツカ半島西海岸を経由し、2021年9 月 中旬までロシア北極圏の河川や湿地などに滞在していたことが判明した(春の渡り)。その後、当該個体はシベリア内陸部をほぼ休息なしに南下し、ロシア沿海州と中国の黒龍江省の国境に位置するハンカ湖で向きを変え、日本海を横断して2021年9月24日に八郎潟に到着し、同日、宮城県伊豆沼に戻った(秋の渡り)。日本での発信器装着・追跡、渡りルートの全容解明は初となり、今後のカリガネの生態研究、保全を進める上で重要なデータを得ることができたと述べている。

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