東北大学、国立環境研究所、北海道大学および筑波大学の研究グループは、生物多様性に配慮して生産された米(以下「保全米」)の消費促進につながるラベルの在り方を突き止め、生物多様性保全の貨幣価値を割り出した。全国各地で水田に飛来する鳥や水田生態系をすみかとする昆虫・魚類の名前を謳う「(通称)生き物ブランド米」が生産されている。それらの売れ行きは概ね堅調で、産地のブランド化に一役買っている商品も少なくない。しかし、生物多様性そのものの市場取引価格は存在せず、高価格で販売されている生き物ブランド米と同銘柄の米の差額が、生物多様性保全の対価であるとは言い難い。本研究は、米の品質表示や認証制度の重要性を踏まえ、「認証ラベル」と消費行動の関係に着目して組み立てられている。先ず、保全米の属性(プロファイル)を整理し、保全活動の対象(象徴)となる生き物・農法認証等の有無・募金制度との連携の有無・小売価格の組み合わせが異なる、独自の「認証ラベル(全3種)」をデザインした。次に、マーケティング分野などで活用されている「選択実験(Choice Experiment)」を実行できるWeb アンケートを設計し、各種「認証ラベル」の評価を試行している。研究の主目的に則した4つの設問を投げかけた結果、調査会社のモニター1,114人から有効な回答が得られた。本研究では回答時間が極端に短い 80 人を除く、 1,034 人の回答を詳細分析した(20~60歳代・無作為抽出、ウェイトバック集計)。回答者の85%以上は保全米の購入経験がなかった。保全象徴種によって評価が異なること(鳥類>特定の生物としない>魚類)、支払意志額(平均)は農法認証で約 360 円、成果認証で約 385 円となり、募金制度への支払意志額は約640円となること等を明らかにしている。本成果は、消費者の評価に基づいた適切な認証ラベルを用いることで、生物多様性の価値を顕在化し、保全米の高付加価値化が可能であることを示唆している。生物多様性保全施策の促進につながる環境マーケティング(広義)構築の一助となることを期待、と結んでいる。
情報源 |
【オンライン情報源1】 東北大学 プレスリリース・研究成果 【オンライン情報源2】 国立環境研究所 報道発表 【オンライン情報源3】 筑波大学 TSUKUBA JOURNAL 【オンライン情報源4】 北海道大学 TOPICS |
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配布形式1 |
【交換形式名称】HTML,PDF 【版】不明 |
タイトル | ラベルのデザイン次第!「生物多様性に配慮して生産された米」の付加価値 |
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日付1 |
刊行日: 2022/12/14 |
要約 | 東北大学、国立環境研究所、北海道大学および筑波大学の研究グループは、生物多様性に配慮して生産された米(以下「保全米」)の消費促進につながるラベルの在り方を突き止め、生物多様性保全の貨幣価値を割り出した。全国各地で水田に飛来する鳥や水田生態系をすみかとする昆虫・魚類の名前を謳う「(通称)生き物ブランド米」が生産されている。それらの売れ行きは概ね堅調で、産地のブランド化に一役買っている商品も少なくない。しかし、生物多様性そのものの市場取引価格は存在せず、高価格で販売されている生き物ブランド米と同銘柄の米の差額が、生物多様性保全の対価であるとは言い難い。本研究は、米の品質表示や認証制度の重要性を踏まえ、「認証ラベル」と消費行動の関係に着目して組み立てられている。先ず、保全米の属性(プロファイル)を整理し、保全活動の対象(象徴)となる生き物・農法認証等の有無・募金制度との連携の有無・小売価格の組み合わせが異なる、独自の「認証ラベル(全3種)」をデザインした。次に、マーケティング分野などで活用されている「選択実験(Choice Experiment)」を実行できるWeb アンケートを設計し、各種「認証ラベル」の評価を試行している。研究の主目的に則した4つの設問を投げかけた結果、調査会社のモニター1,114人から有効な回答が得られた。本研究では回答時間が極端に短い 80 人を除く、 1,034 人の回答を詳細分析した(20~60歳代・無作為抽出、ウェイトバック集計)。回答者の85%以上は保全米の購入経験がなかった。保全象徴種によって評価が異なること(鳥類>特定の生物としない>魚類)、支払意志額(平均)は農法認証で約 360 円、成果認証で約 385 円となり、募金制度への支払意志額は約640円となること等を明らかにしている。本成果は、消費者の評価に基づいた適切な認証ラベルを用いることで、生物多様性の価値を顕在化し、保全米の高付加価値化が可能であることを示唆している。生物多様性保全施策の促進につながる環境マーケティング(広義)構築の一助となることを期待、と結んでいる。 |
目的 | ニュースリリース等の配信 |
状態 | 完成 |
問合せ先(識別情報)1 |
【組織名】東北大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】東北大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
問合せ先(識別情報)2 |
【組織名】国立環境研究所 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】国立環境研究所 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
問合せ先(識別情報)3 |
【組織名】筑波大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】筑波大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
問合せ先(識別情報)4 |
【組織名】北海道大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】北海道大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
分野 |
自然環境 環境総合 |
種別 | ニュース・イベント:ニュース:国内ニュース |
場所 | アジア:日本 |
キーワード | 生物多様性保全米、生物多様性、エコラベル、エシカル消費、食生活、成果認証、農法認証、選択実験、環境マーケティング、生き物ブランド米 |
言語1 | 日本語 |
文字集合1 | utf8 |
主題分類 | 環境 |
ファイル識別子 | 114821 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 国内ニュース |
日付 | 2022/12/28 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2.0 |
国内ニュース | https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=34930 |
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