橋脚1基当たり59 kg、カーボンネガティブコンクリートのCO2削減効果

鹿島建設(株)は、カーボンネガティブコンクリート「CO2-SUICOM(読み方:シーオーツースイコム)」を用いた埋設型枠を、高速道路の橋脚工事に初導入した。CO2-SUICOMは、コンクリート製造時のCO2排出量を実質ゼロ以下に抑える技術。主原料となるセメントの半分以上を特殊な混和材や産業副産物に置き換えることで、セメントの製造時に排出されるCO2を削減する。特殊な混和剤は、コンクリートが固まる過程で大量のCO2を吸収・固定する(炭酸化養生)。今回、阪神高速道路(株)が発注した開削トンネル工事において、高架橋下部工(13基)にCO2-SUICOMが導入された(工事場所:大阪市福島区海老江8丁目付近)。同工事にはコンクリート打設後も取り外すことなく構造物の一部として使用される型枠(埋設型枠)が適用されている。セメントや骨材などの材料に由来する埋設型枠のCO2排出量は207 kg/m3となるが、CO2-SUICOM のCO2吸収量は229 kg/m3。すなわち通常排出されるCO2を100%削減し、さらに10%のCO2を吸収したことになる。差し引き22 kg/m3のCO2は橋脚に固定化され、1基当たりに換算すると59 kgとなった(埋設型枠のコンクリート総使用量:2.68m3)。同社は4月にもCO2-SUICOMの施工実績を紹介している(工事場所:横浜市立元街小学校)。同工事では太陽光発電施設の基礎ブロックの一部にCO2-SUICOMを導入し、東京ガス(株)や日本コンクリート(株)とともに排ガス由来のCO2吸収・固定化に取り組んでいる。カーボンネガティブコンクリートの普及と脱炭素社会に資する活用の動向から目が離せない。

配布情報

識別情報

メタデータの情報

関連するコンテンツ

  • 関連情報は見つかりませんでした。
  • 関連情報は見つかりませんでした。
  • 関連情報は見つかりませんでした。
  • 関連情報は見つかりませんでした。
  • 関連情報は見つかりませんでした。
  • 関連情報は見つかりませんでした。