東北大学農学研究科の深澤准教授が率いる国際共同研究グループは、温暖化がドイツトウヒの分布に与える影響を解明した。──ドイツトウヒはユーラシア大陸西部の森林に広く分布する針葉樹であり、ドイツ南西部のシュヴァルツヴァルト(黒い森)を構成する樹種の一つである。南欧・中欧では木材としての需要が高く、産業的にも重要な樹種である。しかし、近年、温暖化がドイツトウヒの分布域の北上を阻み、南欧の分布域の縮小を促進しているとの指摘がなされている。そうした懸念を踏まえ、深澤准教授らノルウェー、ポーランド、チェコ、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャの6カ国の森林を調査し、ドイツトウヒの種子が芽生え、成長するのに適した「倒木の腐朽タイプ」の把握に取り組んだ。その結果、ドイツトウヒの実生が定着するのに適しているのは白色腐朽した倒木が多く見られる地域で、その分布は中欧に偏在していることが判明した。また、降水量の季節変化が倒木の腐朽タイプの地理的分布に影響していることを明らかになった。また、これらの知見より、温暖化が進むとドイツトウヒの北欧における分布域が北上することは可能となるが、そこには実生定着に適した白色腐朽した倒木が少ないため、総じて、分布の北上は鈍化すると考えられた。一方、南欧の分布域は温暖化により縮小すると予想されるため、結果としてドイツトウヒの分布域は全体として縮小する可能性があると指摘している(掲載誌:Journal of Biogeography)。
情報源 |
【オンライン情報源1】 東北大学 プレスリリース・研究成果 |
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配布形式1 |
【交換形式名称】HTML 【版】不明 |
タイトル | 温暖化でシュヴァルツヴァルトが消える?! |
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日付1 |
刊行日: 2025/04/09 |
要約 | 東北大学農学研究科の深澤准教授が率いる国際共同研究グループは、温暖化がドイツトウヒの分布に与える影響を解明した。──ドイツトウヒはユーラシア大陸西部の森林に広く分布する針葉樹であり、ドイツ南西部のシュヴァルツヴァルト(黒い森)を構成する樹種の一つである。南欧・中欧では木材としての需要が高く、産業的にも重要な樹種である。しかし、近年、温暖化がドイツトウヒの分布域の北上を阻み、南欧の分布域の縮小を促進しているとの指摘がなされている。そうした懸念を踏まえ、深澤准教授らノルウェー、ポーランド、チェコ、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャの6カ国の森林を調査し、ドイツトウヒの種子が芽生え、成長するのに適した「倒木の腐朽タイプ」の把握に取り組んだ。その結果、ドイツトウヒの実生が定着するのに適しているのは白色腐朽した倒木が多く見られる地域で、その分布は中欧に偏在していることが判明した。また、降水量の季節変化が倒木の腐朽タイプの地理的分布に影響していることを明らかになった。また、これらの知見より、温暖化が進むとドイツトウヒの北欧における分布域が北上することは可能となるが、そこには実生定着に適した白色腐朽した倒木が少ないため、総じて、分布の北上は鈍化すると考えられた。一方、南欧の分布域は温暖化により縮小すると予想されるため、結果としてドイツトウヒの分布域は全体として縮小する可能性があると指摘している(掲載誌:Journal of Biogeography)。 |
目的 | ニュースリリース等の配信 |
状態 | 完成 |
問合せ先(識別情報)1 |
【組織名】東北大学 【役職名】 【個人名】 【電話番号】 【FAX番号】 【住所】 【E-mail】 【オンライン情報源】東北大学 【案内時間】 【問合せのための手引き】 【役割】情報資源提供者 |
分野 |
地球環境 自然環境 |
種別 | ニュース・イベント:ニュース:国内ニュース |
場所 | アジア:日本 |
キーワード | 降水量季節変化、温暖化、森林調査、分布域、中欧、ドイツトウヒ、倒木更新、白色腐朽、褐色腐朽、実生定着 |
言語1 | 日本語 |
文字集合1 | utf8 |
主題分類 | 環境 |
ファイル識別子 | 123238 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 国内ニュース |
日付 | 2025/04/10 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2.0 |
国内ニュース | https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=37673 |
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