AZEC諸国、排出可視化と信頼性市場の構築へ(ERIA報告書より)

東アジア・ASEAN経済研究所(ERIA)は、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)におけるカーボン市場形成を目的とした国際会議「AZEC-DCM」の成果をまとめた報告書を発行した(AZEC-DCM報告書2025年10月版)。

本報告書は、2025年5月と8月に開催された2回の会議を通じて、温室効果ガス(GHG)排出の可視化と高い信頼性を備えたカーボン市場の構築に向けた議論を体系的に整理したもの。

報告書では、GHG排出の可視化、JCM(二国間クレジット制度)、パリ協定第6条(Article 6)、MRV(測定・報告・検証)制度、カーボンプライシング、GX-ETS(日本の排出量取引制度)などの主要概念が簡潔に解説されている。これらは、国際的な炭素税制度やサステナビリティ開示基準(ISSB、ESRS等)への対応が求められる中、企業や政府が排出量を正確に把握し、信頼性のある市場を構築するための基盤となる。

AZEC加盟11カ国は、輸出志向型の産業構造を持ち、国際的なサプライチェーンに深く組み込まれている。報告書では、各国の制度整備状況(日本・マレーシア・シンガポール等)や、企業による排出量可視化の取り組み(自動車業界のLCAプラットフォーム等)を紹介し、Scope1〜3の排出量報告が資金調達や市場アクセスに直結する現状を指摘している。また、農業・CCUS・移行クレジットなど新たなクレジット創出手法の展開や、国際規格との整合性を確保するレジストリ整備の重要性も強調された。

AZEC参加国は、地域の実情に即した制度設計と段階的な導入による実効性の確保が重要であることを共有した。報告書では、「今後は、制度の相互運用性と市場の信頼性を両立させるため、技術移転や情報共有を通じた協調的な取り組みが求められる」と結ばれている。

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