信州大ら、水素細菌でPE様の生分解性プラを高効率生産

信州大学アクア・リジェネレーション機構の田口教授らは、カネカ、産業技術総合研究所との共同研究により、微生物を用いて次世代型ポリ乳酸「LAHB(乳酸‐3-ヒドロキシ酪酸共重合体)」を短期間・高効率で大量生産する技術を開発した(掲載誌:Polymer Degradation and Stability)。

海洋プラスチックごみ問題の深刻化に伴い、環境中で分解されるプラスチックの開発は世界的な課題となっている。従来のLAHBは生分解性に優れる一方、強度不足と大量生産の困難さが課題であった。研究チームは、「エネルギー源として水素を利用し、二酸化炭素を固定する微生物(水素細菌)」を用いた微生物生産技術を高度化し、LAHBの高効率生産と高分子量化を同時に達成した。具体的には、高密度培養により48時間で乾燥菌体量約100 g/L、ポリマー含有率70 wt%という世界最高レベルの生産性を実現した。得られた高分子量LAHBは引張強度と伸びを兼ね備え、ポリエチレン(PE)に近い「しなやかさ」と「丈夫さ」を示した。また、海水中での生分解性も確認され、深海環境での分解実績を持つ従来型LAHBの性能をさらに発展させたものとなった。

研究チームは、この成果により「農業用フィルムや包装材など回収が難しい用途での環境負荷低減が期待でき、さらに、ポリ乳酸とのブレンドによる既存製品の改質にも有望である」と述べている。今後は、産業スケールでの生産プロセス開発を進める方針である。

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