島根県の酸性雨について,地域的および季節的な特徴と長期的な変動を把握することを目的として,2000~2006年の湿性沈着モニタリングデータの解析を行った。東アジアおよび県内の地域区分を行い,地域間の違いが大きいと推定された冬季(12月~2月)について,松江市(県東部都市部)と川本町(山間部)の比較,および蟠竜湖,隠岐,辺戸,チェジュのEANET地点間の比較を行った。酸性成分の月平均沈着量(mmol m-2 month-1)について次の結果が得られた;nss-SO42-:松江3.57,川本3.56,蟠竜湖2.30,隠岐2.13,NO3-:松江4.74,川本5.68,蟠竜湖3.39,隠岐2.55。地点間の沈着量の違いは,NO3-がnss-SO42-より顕著であり,川本は松江より,蟠竜湖は隠岐より大きい値を示した。Zhiweiら(2006)は,冬季にはEANET地点の中で中国の重慶に次いで南韓国と蟠竜湖のpHが低いと報告しており,今回の調査においても,蟠竜湖とチェジュのH+の平均濃度は,それぞれ42.1μmol l-1,33.0μmol l-1で,隠岐や辺戸に比べ高濃度であることが示された。蟠竜湖ではNO3- nss-SO42-の当量濃度比が他地点より大きく,低pHはNO3-の影響であることが分かった。松江の冬季の沈着量の7年間平均値に対する年変化率(%)は,酸性成分の上昇とアルカリ成分の低下により,nss-SO42- 3.4,NO3- 5.1,NH4+-5.3,nss-Ca2+-6.1%yr-1,H+沈着量の年変化率が顕著な上昇傾向となり11.8%yr-1を示した。NO3-沈着量は,年増加率が大きく地域的な違いもみられたことから,乾性沈着を含めた実態解明が必要であると考えられる。
情報源 |
【オンライン情報源1】 環境展望台 全国環境研会誌 - JELA_3402065_2009.pdf 【オンライン情報源2】 環境展望台 全国環境研会誌 34巻2号 【オフライン情報源】 【媒体名称】 【備考】全国環境研会誌 34巻2号, 65, (2009) |
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配布形式1 |
【交換形式名称】PDF 【版】不明 |
ファイル識別子 | 85605 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 全国環境研会誌 |
日付 | 2015/07/23 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2 |