群馬県では,県内の5地点において有害大気汚染物質の調査を毎月行っている。本報では大気中水銀濃度について,2002~08年度の7年間のモニタリングデータを取りまとめ,地点間の濃度およびそのトレンドを比較した。5地点のうち4地点における水銀濃度の年平均値は1.9~2.6ng/m3で,この値は全国の年平均値と同レベルであった。一方,残りの1地点における水銀濃度の年平均値は2.7~3.4ng/m3で,他の4地点よりも有意に高く,経年的に濃度が増加する傾向が見られた。そこで,この1地点の大気中水銀濃度と風向頻度および同地点で測定した金属成分濃度との関係を解析したところ,水銀濃度は北東風の頻度と有意な正の相関(p<0.01)を示し,測定地点北東方向に位置する金属製錬工場の指標となる亜鉛およびカドミウムと有意な正の相関(p<0.01)を示した。このことから,この工場が水銀の発生源であることが示唆された。一方,PRTR制度による届出によれば,測定地点周辺からの水銀の大気排出はなく,排出実態の把握は困難であった。今後は,当該物質の環境モニタリングによる監視のみならず,排出が危惧される事業所からの正確な排出実態の把握が必要である。
情報源 |
【オンライン情報源1】 環境展望台 全国環境研会誌 - JELA_3403013_2009.pdf 【オンライン情報源2】 環境展望台 全国環境研会誌 34巻3号 【オフライン情報源】 【媒体名称】 【備考】全国環境研会誌 34巻3号, 13, (2009) |
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配布形式1 |
【交換形式名称】PDF 【版】不明 |
ファイル識別子 | 85614 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 全国環境研会誌 |
日付 | 2015/07/23 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2 |