鳥取県内でも観測されている酸性雨の水系や植物等生態系への影響が懸念されるが,降水は一旦上壌に浸透して水系に流出又は植物に吸収されることから,土壌は生態系への影響を考える上での要であるといえる。そこで,採取してきた土壌を実際の状態(表層から深層へと層状に分かれている)に近付けて充填した「土壌層カラム」を作成し,降水観測データを基に調製した「人工酸性雨」を継続的に降下させ,浸透水の酸性度と溶出成分濃度の推移を追い,以下の知見を得た。 (1)浸透水のpHは降下させた「人工酸性雨」の値よりも高く,土壌の緩衝能が示された。 (2)土壌から溶出して植物や水系に影響を及ぼすとされるアルミニウムは,表層土壌からの浸透水中に検出されたが,深層(深さ1m前後)からのものは不検出又は低濃度であった。表層で溶解していたものが下方に移動する途中で不溶化したものと考えられた。 (3)表層土壌で塩基性陽イオンの溶出・流亡が確認されたが,深層では確認されなかった。 (4)今後10年以内の土壌の酸性化は起こりにくいと考えられたが,一部の表層土壌で酸性化と溶存アルミニウム濃度の上昇傾向が認められた。
情報源 |
【オンライン情報源1】 環境展望台 全国環境研会誌 - JELA_3102026_2006.pdf 【オンライン情報源2】 環境展望台 全国環境研会誌 31巻2号 【オフライン情報源】 【媒体名称】 【備考】全国環境研会誌 31巻2号, 26, (2006) |
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配布形式1 |
【交換形式名称】PDF 【版】不明 |
ファイル識別子 | 85900 |
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言語 | 日本語 |
文字集合 | |
親識別子 | |
階層レベル | 非地理データ集合 |
階層レベル名 | 全国環境研会誌 |
日付 | 2012/09/28 |
メタデータ標準の名称 | JMP |
メタデータ標準の版 | 2 |