イギリス、持続可能な農業に欠かせない土壌のための研究推進戦略を報告
発表日:2013.01.22
イギリス王立化学会は、シェフィールド大学等と共同で、世界人口の増加に伴う食料不足を打開するため、持続可能な農業に欠かせない土壌を確保するための研究推進戦略を示す報告書を作成した。1960年では土地1ヘクタール当たり2人分の食料を生産していたが、2050年には6人分を賄う必要がある。土壌は、食料の量だけでなく質を確保する上でも極めて重要である。報告書では、世界的評価を得ているイギリスの土壌科学への長期的な資金提供を求めるとともに、今後優先すべき学際的な研究分野を提示。具体的には、1)作物の状況を精密に監視・管理するためのバイオシグナルとセンサー、2)植物に必要なリン等の養分を廃棄物から回収するための閉回路システム、3)新たな作物技術を設計するための「植物-土壌-水」の統合コンピュータモデル、4)植物の養分と水の有効利用に関する技術開発、を提案している。この他、今後の土壌科学の人材育成や、農業関連企業・教育機関・環境NGO・政府間での連携強化の必要性も示した。
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