アメリカ環境保護庁、蒸気発電所の有害物質排出基準の改定を提案
発表日:2013.04.19
アメリカ環境保護庁(EPA)は、蒸気発電所の汚染物質排出基準の改定案を公表し、意見を募集する。蒸気発電所は、化石燃料(石炭、石油、天然ガス)あるいは核燃料を用いて水を熱し、発生した蒸気でタービンを回して発電するが、その過程で生じる石炭灰や大気汚染防止処理に伴う廃棄物には、水銀、砒素、鉛、セレン等の有害な汚染物質が含まれる。これらは河川や湖沼へと放出され、大量に曝露すれば神経障害やガン、循環系等の障害の原因になるとされている。魚の大量死など、水系の野生生物にも悪影響を及ぼすおそれがある。今回の改定案は、1982年に改定された基準を、その後の技術の進歩に合わせて更新するもので、対象となる廃棄物や処理設備に様々な選択肢を盛り込んでいる。EPAによると、新基準は既存の発電所には2017年から2022年にかけて段階的に導入される柔軟で達成可能な基準だが、実施されれば、汚染物質排出を年間4億7000万~26億2000万ポンド、水の使用量を500億~1030億ガロン削減できるとしている。
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