アメリカ、五大湖懸念地域のセント・ルイス川の浄化を推進
発表日:2014.08.29
アメリカ環境保護庁(EPA)は、1987年のアメリカ・カナダ五大湖水質協定で懸念地域(AOC)に指定されたセント・ルイス川の浄化が進展したため、指定の理由となっていた環境問題9項目の一つ(美観問題)を一年、前倒しで指定理由から除外したと発表した。セント・ルイス川は、長年にわたる排出で堆積物が水銀・ダイオキシン・PCBなど様々な汚染物質で汚染され、AOC指定時に、魚や野生生物の個体群の減少・生息地消失、堆積物過剰と富栄養化、魚の奇形、川の美観等の問題が指摘された。これに対し、1990年代以降、EPA・海洋大気庁等の連邦機関及び沿岸のミネソタ・ウィスコンシン両州は、総額約3300万ドルを投じて河川域の汚染堆積物除去と生息地回復を図ってきた。その結果、この地域の浮遊油やタール残渣、穀物粉塵などが見られなくなったという。今回の発表に際し、連邦・州政府機関の関係者や国会議員らは、住民と関係機関の協力の賜物であると称賛するとともに、今後も協力を維持し、近い将来に残りの問題も全て解決されるよう期待を述べた。