欧州環境局、大気中ブラックカーボンのモニタリング実施状況を分析
発表日:2013.12.10
欧州環境局(EEA)は、大気中ブラックカーボンの欧州におけるモニタリング網の現状、測定方法及びデータの使用方法を分析した報告書を公表した。ブラックカーボンについては近年研究が進み、人の健康と気候変動への悪影響が示唆されている。報告書の筆者らは、それらの悪影響を評価するために、現在の断片的なモニタリング体制を拡大強化するよう求めている。ブラックカーボンは、化石燃料やバイオマスの不完全燃焼によって生じる粒子状物質(PM)のうち黒い煤状の部分で、主な排出源は自動車、林業用機械、船舶、家庭の石炭・薪ストーブ、森林火災、農業廃棄物の焼却など。欧州では、PMは大気汚染物質の中でも最も健康への害が大きく、特に一部発がん性のある粒子の混合物であるブラックカーボンは、非常に微細なために血流に入り、他の器官に達することから有害性が強い。また、近年の研究により、ブラックカーボンは太陽熱を効率よく吸収するため、氷や雪の融解を加速し、温暖化に寄与するとされている。
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