アメリカ環境保護庁、精油所周辺の大気汚染防止のため排出基準を強化する規則案を公表
発表日:2014.05.15
アメリカ環境保護庁(EPA)は、精油所周辺の大気汚染防止と住民の健康保護のため、精油所の排出基準を強化する規則改定案を公表した。ベンゼンなどの大気汚染物質への曝露は、呼吸器疾患その他の深刻な健康被害や、発がんのリスクを高めるおそれがある。そのため新規則案には、精油所敷地境界での大気中ベンゼン濃度のモニタリングとその結果の公開が、初めて盛り込まれた。また、貯蔵タンクの排出管理、排ガスを適切に処理するためのフレアリング(焼却処分)の性能要件、現在は未規制の熱分解系統の排出基準設定なども強化される。EPAは、改定案が全面実施された場合、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの有害排ガスが年間5600トン削減され、揮発性有機化合物(VOC)の排出は、年間約5万2000トン削減されると見込んでいる。これらの規制は費用効果が高く、石油製品のコストに目立った影響を及ぼさないという。EPAは、一般からの意見募集と2回の公聴会を経て、2015年4月に新規則の最終決定を予定している。