アメリカ環境保護庁、精油所周辺の大気汚染防止のため排出基準を厳格化
発表日:2015.09.29
アメリカ環境保護庁(EPA)は、精油所からの有害な大気汚染物質の排出基準を厳格化したことを発表した。ベンゼンなどの大気汚染物質への曝露は、呼吸器疾患などの深刻な健康被害や、発がんのリスクを高める恐れがある。今回の新基準には、精油所敷地境界での大気中ベンゼン濃度のモニタリングとその結果の公開、基準値を超えた場合の是正措置の要求が初めて盛り込まれたうえ、焼却処理、圧力除去装置、貯蔵タンク、熱分解装置の排出管理も厳格化された。新基準が完全に実施されると、有害な大気汚染物質が年間5200トン削減され、揮発性有機化合物(VOC)が年間5万トン削減されると見込まれている。これにより、140万人以上の発がんリスクを軽減するなど、近隣住民を健康被害から守るという。同時に、CO2換算で年間約66万トンに相当する温室効果ガス排出削減にもつながると推定されている。これらの基準は費用対効果が高く、石油製品のコストに目立った影響を及ぼすこともないという。
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