国連環境計画、小島嶼開発途上国(SIDS)の持続可能な開発に向けた展望を示す「地球環境概況」(SIDS版)を発表
発表日:2014.09.02
国連環境計画は、小島嶼開発途上国(SIDS)の現状と持続可能な開発に向けた展望を示す「地球環境概況」(SIDS版)を発表した。SIDSでは、人口の約30%が海抜5メートル未満の地域に住み、時には島の規模を上回る暴風雨に見舞われ、気候変動は一部の国の存続までも脅かしている。経済面では、農業や漁業、観光業など限られた産業への依存が高く、国際市場から離れているため燃料のコスト高などの問題も抱えている。都市部では人口が増加し、資源消費の拡大や衛生・健康状態の悪化をもたらしている。多くのSIDSはすでに対策を進めており、38カ国が国連気候変動枠組条約を批准。早期警報システムや気候適応計画等の取組が行われ、再生可能エネルギーの利用も進みつつある。しかし依然として新技術の導入等が遅れているのが現状だという。報告書では、SIDSの将来を支える柱として、多様な「ブルーグリーン経済」(海洋国のグリーン経済)の構築、先進技術の利用、島の文化重視、自然との再共生、の4つについて解説し、持続可能な政策枠組の重要項目を提示した。