欧州環境局、航空機など輸送部門の環境汚染が依然深刻と発表
発表日:2014.12.08
欧州環境局(EEA)は、輸送・環境報告メカニズム(TERM)報告書2014年版の中で、輸送部門が依然として深刻な大気汚染や騒音の発生源になっていると発表した。今回のTERM報告書では、環境汚染の主要因である長距離輸送に重点を置いている。2012年の欧州市民の移動距離(6兆4000億km)の7割超を占める自動車輸送は2009年以降全体的に減少したが、航空輸送はここ数十年で急激に増えている。EEAは若年層の消費習慣の変化(車の購入から長距離旅行へ)等がその一因ではないかとしている。2012年の旅客総輸送需要は1.4%、貨物輸送量も2.1%減少し、その温室効果ガス排出も3.3%、大気汚染物質排出もほとんどの輸送形態で減少した(前年比)。ただし航空機による大気汚染は、汚染物質の種類によって増加したものがある。また、都市部では燃料税の導入等でディーゼル車が増え、大気中の二酸化窒素や粒子状物質の濃度が悪化した。電気自動車など代替燃料車の2013年登録台数は微増にとどまったという。