欧州環境局、21世紀も輸送による環境問題が課題と報告
発表日:2012.11.27
欧州環境局(EEA)は、ヨーロッパでは21世紀も依然として輸送による大気汚染物質やCO2の排出、交通騒音が課題であり、EU基準の達成を目指した取組みの強化が必要とする報告書を公表した。ヨーロッパ全域の輸送による環境影響を評価したこの報告書によると、運輸部門の効率改善により過去20年で大気汚染は全般に改善したが、幹線道路沿いで2010年に法定基準を超える地点がNO2で44%、粒子状物質(PM10)で33%あるという。硫黄酸化物も1990年比14%減にとどまっており、これらの主因は貨物輸送量の増加だとされる。CO2については、運輸部門のEU目標を達成するには今世紀半ばまでに排出量を68%削減しなければならず、また大都市住民の6割、農村部でも2400万人が心身の健康に悪影響を及ぼすおそれのある交通騒音にさらされているという。EEAは、「21世紀の大きな課題の一つは、移動性の良さを確保しつつ輸送による環境への悪影響を減らすこと」だとし、電気自動車等の技術革新や都市部の生活様式変更の可能性を指摘している。
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