ドイツ、環境汚染物質への人間の曝露を示すデータ収集を推進
発表日:2015.01.23
ドイツ連邦環境省(BMUB)のヘンドリクス環境大臣と連邦環境庁(UBA)のクラウツベルガー長官は、世界屈指の規模と歴史を誇る同省の環境標本バンクを訪れ、成人を対象とした標本採取に立ち会った。この標本バンクでは1980年代から人と環境の標本を収集しており、これにより国民の化学物質の曝露状況やその変遷、環境政策の有効性を示す重要なデータが得られるという。標本バンクの人の標本は毎年国内4か所で採取され、凍結保存されている。国民の環境汚染物質の曝露についてのもう一つの重要なデータとして、UBAの環境調査(GerES)がある。現在始まっている新調査は、子どもと若者に重点を置き、飲料水、尿、血液、ハウスダスト、空気のサンプルから重金属、多環芳香族炭化水素、プラスチックの可塑剤や溶剤などの環境有害物質の調査を行う。クラウツベルガー長官は、アレルギーや乳がん・精巣がんの増加が指摘されるなか、原因となる環境要因を検出し対策を講じて、子どもと若者を化学物質の危険から守りたいとしている。