土地劣化により世界の安全保障への脅威が増大、砂漠化対処条約事務局長が声明
発表日:2015.06.17
砂漠化対処条約のバルビュー事務局長は、ミラノ万博で開かれた国連「砂漠化および干ばつと闘う国際デー」(6月17日)の式典で、土地劣化による世界の安全保障への脅威拡大、特に移住や若者の過激化など社会不安との関連性について指摘し、土地の持続可能な管理を各国に求めた。現在、世界で約20億haの土地が劣化しており、劣化した土地の再生は、1983~2005年でわずか16%にすぎない。世界の食料生産は、土地劣化により2035年までに12%減少すると予想されている。土地劣化の影響を最も受けるのは、食料や水、仕事など生活を土地に依存する貧困層で、移住するか、もしくは僅かな資源を巡って武力衝突するかの状況に追い込まれるという。一方、劣化した土地を3億5000万ha再生することで年間1700億ドル相当の農産物等の資源が確保できるとの報告もある。実際に、持続可能な土壌管理方法により、ブルキナファソでは収穫高が4倍に増加、ニジェールのマラディ州では地下水面が約10m上昇、中国の黄土高原では穀物生産が倍増したという。
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