欧州環境局、長距離越境大気汚染条約の排出上限値をEU11カ国が超過と報告
発表日:2012.07.30
欧州環境局は、長距離越境大気汚染条約に基づき、EUの排出インベントリ報告書(1990~2010)を発表し、大気汚染物質の排出量は過去20年間で減少したものの、多くのEU加盟国が2010年の排出上限値を超過したことを明らかにした。同条約のヨーテボリ議定書では、呼吸器疾患、酸性雨、富栄養化を引き起こす、窒素酸化物(NOx)、非メタン揮発性有機化合物(NMVOC)、硫黄酸化物(SOx)、アンモニア(NH3)の4物質について、2010年までに達成すべき排出上限値を定めている。報告書によると、この上限値を超過したEU加盟国は計11カ国で、デンマークとスペインが3物質、ドイツが2物質において超過するなど、更なる取組の必要性が浮き彫りになった。ただし1990~2010年の削減努力により、排出量自体は減少した。EU全体でSOxが最も減少し82%減、NMVOCが56%減、NOxは47%減、NH3は28%減となった。大気汚染物質の主要排出源は依然として、道路輸送、一般家庭、発電所、農業等だという。
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