アメリカ環境保護庁、石油・天然ガス採掘の大気汚染基準を改定
発表日:2012.04.18
アメリカ環境保護庁(EPA)は、天然ガスと石油の採掘で排出される有害汚染物質を削減するため、大気浄化法に基づく汚染基準を改定した。新基準には、水圧破砕を用いる天然ガス井に対し、大気汚染に関する初の連邦規則も盛り込まれた。ガス井からは、スモッグの原因となる揮発性有機化合物(VOC)や、ベンゼン等の有害物質、天然ガスの主成分であり大気中に放出されると強力な温室効果物質となるメタン等が排出される。今回の規則では、坑井仕上げ時にこれらを回収する低排出技術(REC)を段階的に導入することが義務付けられた。EPAによると、RECは、水圧破砕法によるガス井の半分で既に導入されている、費用対効果が高く実証済みの技術。有害物質の環境への放出を防ぐだけでなく、回収したガスを販売することが可能なため、毎年1100~1900万ドルのコスト削減になるという。アメリカでは、既存の坑井改修も含め、推定1万3000か所のガス井が毎年水圧破砕により掘削されているが、EPAは、新規則によりVOC排出を95%抑えられるとしている。
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