国連環境計画、実験的生態系勘定の技術的ガイダンスを公表
発表日:2015.09.30
国連環境計画 世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)は、国連統計部等と協力し、生態系や種の多様性の状況に関するデータを収集・整理し、国民経済計算の枠組みに組み入れるための技術的ガイダンスを作成した。国連は、経済と環境の間の相互作用や環境の状態を観察するための国際比較可能な統計データ体系である「環境経済統合勘定(SEEA)」の整備を進めており、このガイダンスは、その一部を構成する「実験的生態系勘定(SEEA-EEA)」推進活動の一環である。SEEA-EEAは、生物多様性などによってもたらされる生態系サービスの流れを測定し、これを経済その他の人間の生活活動と関連付けるための枠組みで、これにより、生物多様性に関する情報が他の国内経済・社会統計と整合性のある形式で扱われ、比較・統合が可能になる。ガイダンスは、生物多様性の構成要素の計算が複雑であることから導入を促進するために試験的に作成されたもので、世界各国の事例を用い、利用できるデータ量に応じた生態系勘定の実施方法を示している。