国連環境計画、各国の約束草案により排出増は抑えられるが必要な削減量とのギャップはまだ大きいと報告
発表日:2015.11.06
国連環境計画(UNEP)は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に2015年10月1日までに提出された146か国の約束草案(INDC)を評価し、「2100年までの気温上昇を2℃未満に抑える」目標の達成に必要な削減量との差を「排出ギャップ報告書2015年版」で公表した。それによると、提出されたINDCを完全に実施できれば、2030年の排出量は54ギガトン(CO2換算)となり、現行政策を続けた場合の推定排出量より4~6ギガトン、IPCCの第5次評価報告書で2010年以降の追加対策なしとした場合より9~11ギガトン削減できるという。しかし、2℃目標達成のためには2030年の排出量を42ギガトンに抑える必要があり、まだ12ギガトンのギャップ(差)がある。この場合、2100年までの気温上昇は約3℃となる見通しで、気候変動の深刻な被害が予想される。差を埋めるためには、今後定期的に削減目標や気候資金を見直すような合意をパリ会議で採択するとともに、エネルギー効率化や再生可能エネルギー技術開発を加速していくことが必要だという。
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