アメリカ海洋大気庁、エルニーニョが気象に及ぼす影響を明らかにする初の大規模調査を開始
発表日:2016.02.05
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、熱帯太平洋で現在発生している過去最大級のエルニーニョについて、陸上、海上、上空からデータを収集し気象予報の精度改善を図る、初の大規模調査をパートナー機関とともに実施すると公表した。エルニーニョは、赤道太平洋の水温が著しく上昇する現象で、アメリカでも冬季に北部で高温・乾燥、南部では低温で降水量が増えやすくなるなど大きく影響を受ける。カリフォルニア州は過去のエルニーニョで豪雨による洪水や地滑りなどの被害を受けたが、現在は干ばつに見舞われており、エルニーニョがもたらす降雨量に関心が高まっている。今回の調査では、気象観測気球や気象センサーを搭載した航空機・無人航空機と船舶でデータを収集し、太平洋上のキリティマティ島にも観測拠点を置く。さらにサンフランシスコ湾南部に降雨量を予測するレーダーを一時的に設置する。これらのデータは年単位のエルニーニョの予測精度を高めるだけでなく、長期的な気候変動の影響予測にも役立つと期待されている。