アメリカ海洋大気庁、2014年に始まったサンゴ白化現象は2017年まで収まらず観測史上最長になると予測
発表日:2016.02.22
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の科学者らは、温暖化とエルニーニョ現象により2014年に始まった今回のサンゴ白化現象は2017年まで続き、観測史上最長になると予測した。サンゴの白化は、高水温などのストレスにさらされたサンゴが組織内に生息する藻を吐き出すことで起きる。藻がいないと、サンゴは重要な食料源を失い、疾病に弱くなるため、白化現象が深刻化すると大規模な造礁サンゴの死滅が起こる。今回の世界的白化現象は1998年と2010年に続く3回目。2014年半ばに西太平洋で始まり、2015年10月にはエルニーニョが激化したため世界に広がって、一部のサンゴ礁は繰り返し白化に見舞われている。サンゴ礁は、海岸線の保護や魚の生息地としてのほか、食料供給や漁業、観光などにも大きな役割を果たし、世界で年間約298億ドルの経済効果を持つという。白化現象の頻度が高まるとサンゴが回復するだけの時間がなく、深刻な被害が生じ得るが、研究によれば、大規模白化現象の頻度は地球温暖化のせいで増えており、影響が懸念されるという。
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