アメリカの科学者ら、気候変動が鳥類の渡りの時期に影響を及ぼしていると報告
発表日:2016.09.06
アメリカ国立科学財団(NSF)の助成を受けた科学者らは、気候変動の影響で鳥類の渡りの時期が変化していると報告した。アメリカの鳥類は北方の繁殖地に従来よりも春の早い時期に到着しており、秋に繁殖地を離れるのは従来よりも遅くなっている可能性があるという。従来の研究は特定の鳥類種の少数の個体調査に基づいていたが、この研究では生物学と大気科学の専門家が協力し、気象レーダーのリモートセンシングデータと市民の観察データを統合し、多数の鳥類種の数百万羽の渡りを反映する指標を開発した。この指標によって、気温の変化は鳥類が渡りの時期と経路を調整するのに重要な役割を果たしている可能性があり、景観の季節変化も渡りの契機となっていることが示されたという。科学者らは、新たな指標は、今後の研究で渡りの時期と地球規模の変化のパターンを結び付ける環境要因を把握し、気候変動が渡りに及ぼす影響を予測するために利用できるとしている。
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