国連気候変動枠組条約、渡り鳥の重要性を解説
発表日:2022.05.12
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は、毎年5月・10月第2土曜日の「世界渡り鳥の日」を前に、環境における渡り鳥の重要性と環境悪化による渡り鳥への影響について解説した。全鳥類の約20%(約1,800種)が毎年、食料が豊富で日の長い温暖な地域を目指して渡りをするが、自然のバランスが崩れると移動のパターンを変えてしまう。ボン条約(移動性野生動物の種の保全に関する条約、CMS)事務局長は、渡り鳥は移動ルート上のさまざまな場所で害虫を捕食し、種子の散布や花の受粉に寄与し、生態系を調整する重要な役割を担っている、としている。しかし、気候変動や公害などは渡り鳥の移動のタイミングの混乱や個体数の減少をもたらし、渡り鳥が利用する地域の繁殖、休息、越冬などの条件の悪化も悪影響となる。渡り鳥は複数の地域の条件に依存し、そのフェノロジーは気候要因に左右され、定住性の生物よりも急速に個体数を減らしている。自然のリズムを乱す気候変動対策として、生物多様性の回復や温室効果ガス排出削減が重要となる。
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