国連環境計画、加速する地球温暖化に警鐘
発表日:2009.03.10
気候変動に関する国際科学会議(2009年3月10~12日、於コペンハーゲン)では気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の予測より速いペースで地球温暖化が進んでいるという新たな証拠が検証されるが、国連環境計画(UNEP)が2月に発表した年次報告書も科学者の懸念を固めるものとなる。IPCCは、21世紀中、海面は18-59cm上昇すると予測したが、今日では多くの科学者が、グリーンランドや南極の氷床の最新の評価を踏まえ、海面上昇はもっと大きいと考えている。グリーンランドの氷床は年間100km3も減少し、南極西部の氷床の減少率は1996~2006年に60%増加、南極半島では減少率が140%も増加しているという。この他、報告書は、主要な吸収源である海洋のCO2吸収力が1000万トンも減少していること、森林についても、気温の上昇が木々にストレスを与え、夏に炭素隔離が中断される可能性があること等を指摘。また、氷や永久凍土の融解でメタン等の温室効果ガスが排出されるという懸念にも触れている。