ドイツ、2016年硝酸塩報告書で、地下水質の硝酸塩汚染に大きな改善はないと報告
発表日:2017.01.03
ドイツ連邦環境省(BMUB)は、4年ごとに欧州委員会に提出する硝酸塩報告書の2016年版で、地下水の汚染にはあまり改善がみられないと報告した。主な原因は農業における窒素肥料の過度の使用で、地下水の水質計測地のうち、およそ3分の1が高い硝酸塩値を示している。今回(2012~2014年)の「汚染されていない」または「ほとんど汚染されていない」地下水の水質計測地の割合は、2008~2011年の結果と比較してもほとんど改善しておらず、全体の28%の計測地で目標値(50mg/1ℓ)を超えている。湖や河川ではこの値を下回った。今回の報告では初めてリンの湖、川、沿岸域での計測も加えられた。リン汚染は2012~2014年で減少しているが、目標値を超過した地表水の計測地は65%にのぼる。このような状況を踏まえ、連邦政府は肥料の使用に関して規則を強化し、2017年から肥料令に新基準値を適用する。BMUBは、2017年度第1四半期中の法令成立に向け、肥料法改正に関する議会の審議、肥料令改定に関する連邦と州との協議の最終調整を急ぐ必要があるとしている。