イギリス気象庁、2017年の大気中のCO2濃度を予報
発表日:2017.03.03
イギリス気象庁(MetOffice)は、2017年の大気中のCO2濃度が2.5ppm程度上昇するとの予報を発表した。この上昇率は、50年間の観測史上最大だった2016年の3.4ppmよりは低いが、過去10年間の平均上昇率よりは高いという。予報はハワイのマウナロア観測所に適用されるもので、同庁は2016年のCO2濃度予報を的中させており、今年も同じ手順に従い、同観測所で1958年以来定期測定されているCO2濃度データを使用して作成された。CO2濃度は、化石燃料の燃焼やセメント製造、森林減少からの排出により毎年上昇しているが、世界中の植物や海が過剰なCO2の一部を吸収するため、大気中濃度の上昇は排出増加量の約半分になっている。2016年は、エルニーニョ現象により熱帯地方で気温が上昇し乾燥したため生態系のCO2吸収量が低下し、大気中濃度が大きく上昇したという。同庁は、気候と炭素循環のこうした反応関係は、未来のCO2濃度に、ひいては世界の気温上昇を2℃より十分低く保つというパリ協定の目標の実現可能性に大きく影響するだろうとしている。
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