世界気象機関、2016年の浮遊粉塵に関する年報を公表
発表日:2017.04.12
世界気象機関(WMO)は、初の「浮遊粉塵年報」を発行し、2016年の大気中の粉塵濃度と地理的分布の概要を公表した。乾燥・半乾燥地域での砂塵嵐等の観測・警告を国際協調等で改善する取組の一環である。同年報は、WMO全球大気監視プログラムのシンポジウムに提出されたもので、2016年のエアロゾル光学的厚さ(粉塵負荷)はイランと中国北部・モンゴルでの砂塵嵐で特に深刻だったとした。自然に発生するほか、持続不可能な方法による土地や水の管理等で発生する浮遊粉塵は、地球の気象に多大に影響する大気エアロゾルの主成分で、呼吸器疾患、髄膜炎等の健康被害や空港閉鎖など社会経済的混乱をもたらす。砂塵嵐は大気が不安定な中で発生し、粒子の細かい大量の砂が強風で巻き上げられて数百~数千マイル輸送される。2016年の粉塵は大半が発生源(サハラ砂漠~大インド砂漠、中央アジア等の中緯度砂漠)に集中したが、欧州中期気象予報センターによる粉塵濃度の推定では、赤道アフリカ、インド・パキスタン地域等に2003~2015年基準レベル以上の粉塵が輸送されたという。
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