国連気候変動枠組条約、気候災害リスクへの対処には統合型のアプローチが必要と報告
発表日:2018.01.25
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は、1)気候変動への適応策、2)仙台防災枠組を通じた気象関連災害への対策、3)持続可能な開発目標(SDGs)達成への活動、の3つの枠組みの連携を強化した統合的アプローチが必要だとする新たな報告書をまとめた。この3つを組み合わせて早期に行動することが、限られた資源を有効に利用し、人々の命と生活を守ることにつながるという。3つに共通するのは、回復力と生態系の重要性である。報告書では、生態系を重視した対策として、沿岸湿地にマングローブを植林し自然の適応力と回復力を高め、災害リスクの軽減や衛生状態の改善にもつなげた成功事例(メキシコ)等が報告されている。報告書は同条約の適応委員会が2017年5月にボンで開催した技術専門家会合の議論を基にしており、統合的アプローチをとるには、データの不備、担当機関の能力や資金・技術的支援の不足など障害はあるが、その克服も着実に進んでいると指摘。たとえば同条約の国別適応計画(NAP)策定プロセスは、統合型アプローチの計画と実施を促進しうるとしている。