国際科学者チーム、地球の「温室」化で各地が居住不可能になるおそれがあると警告
発表日:2018.08.06
国際科学者チームは、各国がパリ協定の目標の通りに温室効果ガスの排出量を減らしたとしても、地球システムの連鎖反応によって地球が「温室」化するおそれがあるとする研究を発表した。それによると、温暖化が臨界点を超えると、北極圏の夏季の海氷の喪失や南極海氷の減少、アマゾン熱帯雨林や北方森林の枯死などのプロセスが発生する。これらはドミノ倒しのように他のプロセスを引き起こし、それまで貯蔵されていた炭素が一気に放出される。その場合、長期的には地球の気温は産業化以前に比べ4~5℃高い水準で安定し、海面は今より10~60メートル上昇するという。研究によると、産業化以前と比べ2℃以内の温暖化でもこの連鎖的プロセスが発生する可能性を否定できない。これを回避するには排出削減だけでは不十分で、森林、農地、土壌管理の改善、生物多様性保全、大気中からCO2を取り除き地中へ貯蔵する技術などの新たな対策が必要だという。現在、地球の平均気温は産業化以前より1℃高く、10年あたり0.17℃上昇している。
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