国連環境計画、ブラジルの持続可能な大豆生産を支援する融資枠組の発足を報告
発表日:2019.07.04
国連環境計画(UNEP)によると、ブラジルにおける持続可能な大豆・トウモロコシ生産を支援するための融資枠組、責任あるコモディティ・ファシリティ(RCF)がイギリスの支援を受けて創設された。RCFは、世界で初めて、持続可能な大豆・トウモロコシ生産のためのグリーンボンドを発行する。ブラジルでは世界的な大豆需要を背景に農地の拡大が続き、森林減少や生息地の消失が問題となっている。RCFは、森林伐採や開墾をせず、劣化した牧草地を活用するなどして土地の回復に努めながら大豆やトウモロコシを栽培する農家に対し、低利融資を行う。今後4年間で10億ドルの融資が計画されており、まずは2020年の栽培期に向けて3億ドルのグリーンボンドが発行される予定である。これによって大豆やトウモロコシの増産はもとより、自然生息地の保護・回復やこれに伴うCO2排出削減といった効果も見込まれている。同国は、2030年までに温室効果ガスの排出量を43%削減する目標を掲げており、このうち約90%を森林減少対策で実現する意向である。