国際エネルギー機関（IEA）は、石油・ガス事業からのメタン排出量を削減することは、世界的な気候変動目標を達成するために政府が取れる最も費用対効果が高く、影響力のある行動だとして、メタンガスの漏出を抑制するための政策立案者向けのガイドやロードマップなどを公開した。同機関は、2020年には石油・ガス部門から7,000万トンのメタン（二酸化炭素換算で約2.1Gt）が漏出したと推定しており、これは世界におけるエネルギー関連の温室効果ガス排出量の5%強に相当する。衛星データによれば、2020年は漏出量が大きく低下したが、これはパンデミックによって生産量が大幅に減少した影響と考えられる。同機関の持続可能な開発シナリオでは、2030年までに漏出量を年間約2,000万トンにまで減少させる必要があり、2020年と比較すると70%以上の削減に相当する。回収したメタンは削減対策のコストをカバーするのに十分な価値を有するため、これらの漏出量のかなりの割合を正味のコストなしで削減することが可能である。