トリフルオロメタン、地球温暖化を加速
発表日:2010.01.27
CO2の数千倍も強い温室効果を有するトリフルオロメタン(HFC-23)の排出量が増加していることが、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の研究者らによって、2010年1月29日付のGeophysical Research Letters誌に発表された。HFC-23は、エアコンや冷蔵庫の冷媒等に使用されるHCFC-22を生産する際の副生成物で、大気中に300年近く残留し、100年単位で見ると、CO2の1万4800倍の温室効果がある。研究チームが南極でアイスコアを採取・分析したところ、HFC-23の2006~2008年の排出量は、1990~2000年の平均排出量より約50%多かったという。なお、モントリオール議定書では、HCFC-22の生産を先進国では2020年までに、途上国では2030年までに停止することとしているが、副生産物であるHFC-23は規制の対象外。今後、大気中のHFC-23の量の増減については、HCFC-22の生産量の変化と、気候変動枠組条約が実施しているHFC-23の排出削減プログラム等の成果にかかっているという。