イギリス気象庁、気候変動が生物の種に与える影響について解説
発表日:2022.03.03
イギリス気象庁(MetOffice)は、気候変動が同国に生息する種にどのような影響を与えているかについて解説した。数十年前から多くの種の生息域が北へ、山へと移動していて、1960年代以降、多くの種、特に昆虫が、欧州のさらに南から同国に定着してきた。かつて地中海沿岸で頻繁に見られた白鷺の一種は、現在同国の多くの地域に生息する身近な鳥となっている。2008年に発表された、欧州の全鳥類を対象とする一連の気候変動予測によると、平均的な鳥類の場合、今世紀末には分布が北東に550km近く移動し、欧州に生息する営巣鳥類の4分の3が生息域の減少に見舞われ、何種かはイギリスでは絶滅する可能性さえある。同国でかつて営巣していたキツツキの一種は、気候変動の影響による草地の不足のため、営巣鳥として絶滅してしまった。気候変動はあらゆる種にますます影響を及ぼすようになるが、リスクを軽減するためには適応が重要であり、生物が適応するために必要な空間を確保する必要がある。
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