イギリス自然環境研究会議、地球工学的な地球温暖化対策に関する国民意識を調査
発表日:2010.09.09
イギリス自然環境研究会議(NERC)は、市民参加の公開ワークショップ「地球実験の是非(Experiment Earth?)」を開催し、地球工学的な気候変動対策について市民から意見を聞いた。地球工学とは、地球温暖化対策として地球の気候系を大規模かつ計画的に操作する新しい研究分野である。イギリス国内3カ所で開催されたワークショップでは、地球工学的な9手法について市民との対話を行った。市民の間では、CO2の除去が最も低リスクの手法とされ、植林、バイオ炭の製造・利用、大気中の炭素捕捉など、最も「自然に近い」と受け止められた手法への支持が高かった。一方、宇宙空間に鏡を設置して太陽エネルギーの一部を屈折させる方法、屋根を白く塗る方法などは支持が少なく、大気圏上部での硫酸塩散布については、「それは絆創膏を貼るようなもので、問題解決にはならない」との意見も出た。なお、参加者の大半は、温室効果ガスの排出削減のみでは気候変動対策が不十分な場合に、地球工学の有効性を調べるための研究の必要性を認めた。ワークショップの主催者は、地球工学に関する市民の意見と懸念を把握できたことを評価している。
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