世界気象機関と国連環境計画、オゾン層保護は気候変動対策としても有効と報告
発表日:2010.09.16
世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)は、オゾン層保護のための国際的取り組みが、気候変動対策としても有効だとする報告書『オゾン層破壊の科学的評価2010』を発表した。報告書によると、オゾン層保護のためのモントリオール議定書が有効に機能しており、2010年には、温室効果の高いオゾン層破壊物質の排出削減は、CO2当量で京都議定書第1約束期間の目標値の5倍に達した。過去10年、世界のオゾン量の減少は止まっており(増加もせず)、両極地方を除くオゾン層は今世紀中ごろまでには1980年以前の水準に戻ると予想される。ただし、南極の春のオゾンホールの回復はさらに先になる見込みである。また、温室効果の高い代替フロン類は、モントリオール議定書の2007年合意による対策で、今後10年以内には減少に転じるとみられるが、現在は増加している。報告書では、今後、気候変動が成層圏オゾン層に与える影響は強まると予想され、オゾンと気候変動の複雑な関係を理解したうえで将来のオゾン量を推定することが残された重要課題だとしている。
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