鹿島建設(株)、シールドトンネル工事で発生する砒素汚染土壌の浄化技術を開発
発表日:2013.11.14
鹿島建設(株)は、自然由来の砒素含有地盤を泥水式シールド工法で掘削する際に発生する、砒素汚染泥水を現場で浄化する技術を開発したと発表した。自然由来の砒素が比較的多く含まれる地盤を掘削するシールド工事では、基準値を上回る砒素に汚染された土壌(汚染残土や汚染汚泥)が大量に発生し、その処分にかかるコストが大きな課題となっており、現場で浄化するニーズも高まっている。今回開発した技術は、同社が実用化した、超伝導磁石の磁気により泥水中の鉄粉をほぼ100%回収する技術を活用したもの。砒素に汚染された排泥水に砒素吸着性鉄粉を撹拌混合し、鉄粉に砒素を充分に吸着させた上で、磁気分離装置で鉄粉を除去する。環境基準値の10倍程度の砒素汚染泥水の処理試験では、磁気分離装置1台で1時間あたり60m3以上の処理能力があり、環境基準値以下に浄化されるとの結果が得られた。砒素汚染土壌を無処理で搬出する際の処分費用に比べて、最大7割程度のコスト削減につながるとともに、鉄粉は吸着効果が低下するまで再利用することができるという。
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