（独）農業・食品産業技術総合研究機構は、放射性物質吸着資材に関する効果実証試験の結果を公表した。東京電力福島第一原発事故により汚染された農地での営農の再開に向けて、農地の放射性セシウムを積極的に除去するとともに、農産物の安全性確保のため土壌から作物への放射性セシウムの移行を低減することが重要となっている。今回、土壌中の放射性セシウムの吸着に効果のある資材を明らかにするため、民間事業者の開発した資材を公募し、9資材を対象に実証試験を実施。その結果、資材応募者が示した土壌への混合割合（または施用量から算出した混合割合）では、一定の効果があることが明らかとなっているゼオライト等と比較して、9資材のうち、1資材で吸着能力が高く、1資材で同等、残りの資材では下回る結果となった。また、資材を何も施用しない場合と比較して、すべての資材でいずれかの添加割合、土壌の種類において有意な効果が認められ、全く吸着能力が認められない資材は無かったという。