マツダ（株）は、車両軽量化の技術として、自動車用に使われるプラスチック部品の質量を大幅に削減できるプラスチック成形技術を開発した。自動車プラスチック部品の主な製造法である射出成形法において、材料となる樹脂に混ぜる発泡剤に、窒素や二酸化炭素などの一般的な不活性ガスを超臨界流体化させたものを利用。これらが物質に混ざりやすい特性を活かして樹脂の流動性を高め、より少ない材料を金型内に速く広範囲に充填できるようにした。また、製造工程では、材料となる樹脂量を減らしても製品の厚みを増すことができるコアバック膨張成形を採用。製品の強度・剛性を保つ表面層と、気泡の大きさをコントロールして低密度化させた中心層の複層構造の形成に成功した。これらの技術により、材料となる樹脂の使用量を約20～30%削減でき、大幅な材料軽減、軽量化を実現できる。また、従来の化学発泡に比べて環境負荷が少なく、リサイクルも容易という。